
私は、4歳からヴァイオリンを習っていましたが、別にヴァイオリンのプロになろうとは思っておらず。
大学を選ぶ際に、医療系に行きたいと思いつつも、親の猛反対を受け、長くやってきたヴァイオリンを最終的に選ぶことにしました。

高校も普通科で、とにかく中学のときから反抗期が酷い私でしたから、ちょうど伸びる時期に練習ができていません。
それでも、自分の意思で音大を選んだので、とにかく頑張りました。
新曲視唱、聴音、音楽の歴史、楽典、そして、ピアノの練習。
ヴァイオリンの練習以外にやらなければならないことは多く、それまで全くしてこなかった聴音は、本当に大変でした。
母の末期癌とも重なった大学受験でしたが、無事に希望校に入り、希望するヴァイオリンの師匠につくことも決まり、母への親孝行にもなったかなとホッとしたのを覚えています。
こうして私は、音楽に溢れる日々を過ごし始めることになります。
大学時代はとにかく、充実していて、楽しかったですね。
オーケストラに力を入れている大学でしたから、とにかくオーケストラの授業が長かった。
時間通りに終わることは…まずなかったと思います。
私は当時、下宿はしていなかったので、往復6時間以上かけて通いました。
だから、帰るのはいつも日付けが変わってから。
さらに、朝は始発(なのに、1限目には間に合わない。。。笑)
ですから、寝るためだけに、家に帰っていた感じでした。
試験前は、電車の中でも練習したいくらいでした(笑)
(防音室のある電車があったら、有料でも払って乗りたかったです。笑)
イメージング練習といって、楽譜を広げながら、自分の中で音をイメージする練習をとにかく電車の中でしたり、電車の中で勉強したり、できることはなんでも行き帰りの電車でやりました。
実はこの頃、大学に入ってから、ヴィオラに出会ったんです。
当時、大学にはヴィオラ 専科の生徒がいなかったので、オーケストラの授業では、持ち回りで、ヴァイオリン専科の1〜2回生がヴィオラをするのが習わしでした。
はじめは音が読めなくって!
ヴィオラ は、ト音記号ではなく、ハ音記号です。
ヘ音記号は読めましたが、ハ音記号は人生初!!
読めなくても、強引にオケ授業に引っ張り出され(2回生だけではヴィオラ が足りない)
一回生の入りたて、自分が歓迎されるはずの新入生歓迎コンサートなのに、なぜか自分もヴィオラで出演させられて(笑)
しかも、忘れもしません。
ドヴォルザークの交響曲8番でした。
俗に、略して、ドボ8って言います(笑)
ドボ8は、とにかくヴィオラが美味しい曲。ということはですよ、ヴィオラが難しいわけです。
なぜかって?
ドヴォルザークさんは、ヴィオリストでもあったんですね。
だから、ドヴォルザークさんの音楽は、とにかく、ヴィオラ が美味しいんです。

とにかく必死でした!!
そんなスパルタのおかげか、逆にヴィオラの音色に惹かれて、私は異例の4回生でもヴィオラを弾いたりしていました。
(それまでは、1〜2回生でヴィオラ をしたら、3〜4回生はしなくて良い)
特に、室内楽アンサンブルのヴィオラの気持ちの良いこと!
なので、室内楽では、ほとんどヴィオラを担当するように。
この時期は、私にとって、ヴィオラと出会えた貴重な時間でした。
さて、大学4回生になって、ようやく大学の寮に入れることになり、朝早くから夜中まで練習室に入り浸り、練習していたことをよく思い出します。
大学卒業後、無事に院の入試も合格し、私はそのまま大学院に進みました。
その頃から、音楽教室に勤めはじめました。
私のヴァイオリン指導としての経歴の始まりです。
音楽教室は複数を掛け持ち。
かなり忙しい毎日でしたね。
土日は演奏活動をしているため、平日は教室で教えます。
15時頃〜21時頃まで、休みなくぶっ通しで教えることも多かったです。
教室でのレッスンは、30分ないしは40分レッスンということが多く、後ろに生徒さんが詰まっていると、延長ができません。
あともう少しレッスンできれば、という融通がなかなか利かず、もやもやしながらもレッスンし続けていました。
「時間に縛られたレッスン」というものが、私の中では辛かったんです。
でも、これだけ生徒さんがいれば、途中で私自身の休憩を取るのも大変なのに、ひとりの時間を長くするとなると、その分私が頑張らなくてはいけませんから、さらに私の体力が持たなくなってしまいます。
過労死してしまうなぁと。
私が教室を立ち上げた理由は、実はこれが一番大きかったです。
とにかく、しんどかった。
教室の生徒さんは少なめにし、その代わり、ひとりひとりを大切に見られる教室にしたい、と。
先生が疲れていたら、それって、生徒さんにも伝わります。
それに、
レッスンって、単に、ヴァイオリンを教えてそれで終わり、ではなくって。
生徒さんにも生活があって、その中で色んな悩みがある。
生きていることがメインで、その中に、音楽が、ヴァイオリンが、ある。
レッスンで一音弾かれただけで、そのときの生徒さんの調子が手に取るようにわかるんです。
いえ、レッスン室に入ってこられたときから、なんとなく生徒さんの調子、わかるんですけれどね。
だから、どうしたんだろう?と思って、
「今日はなんだか元気ないですね、どうかされましたか?」なんて聞くと、
「わかりますか?」って、悩みを話してくださって止まらなくなって。
子育て相談なんかしょっちゅうです。
独身時代の頃から(笑)
子供いないのになぁ〜なんて思いながらお話し聞いたり。
「先生聞いてください!お仕事でこんなことがあってね〜」とか相談してくださったり。
全くわからない分野だったり、、、なんですけれどね(笑)
おかげさまで、色んなお仕事の、色んな立場の方々から、本当にたっくさんのお話しを聞かせていただいて、
今の自分があります。
生徒さんたちには感謝してもしきれません。
一音も出さなくっても、レッスンが終わった後の生徒さんの顔は穏やかになっていたり、明るくなっていたり。
それが、とても嬉しかったんです。
そう。
レッスンって、指導だけではないんですよね。
だからこそ、教室のレッスンに疑問を持ちました。
だからこそ、ひとりひとりを大切にする教室を立ち上げたいと。
そこで、2015年に、「森の木バイオリン ビオラ教室」を立ち上げました。
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