お子様にバイオリンを習わせたい。

子供のバイオリンってどれを買えばいいの?
予算はどのくらい?

そうですね。
これから習わせたいけれど、気になるのは金銭面。
続くかわからない習い事に、一体どのくらいかければ良いのか。

これまで、150人以上の生徒さんを指導してきた私が、経験からおすすめする楽器をご紹介します。
のぞみ先生
のぞみ先生

 

 

 

 

 

〜分数楽器って何?〜
そもそも、バイオリンの分数楽器ってなんでしょう?
大人が使う楽器は、「フルサイズ」と言って、「4分の4サイズ」とも言われます。
フルサイズでは、子供は大きすぎて演奏することができません。
そこでできたのが分数楽器です。
16分の1〜4分の3まで、6挺のサイズがあります。

ヴァイオリンの数え方は、1本2本ではなく、1挺2挺で、挺(ちょう)という単位を使います。
のぞみ先生
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なぜ、分数で表すのか?
どこのサイズをはかってみても、割合が当てはまらないため、なぜこのような分数が用いられているかは不明です。

おおよそ、下の表のように、身長によってサイズが決められています。

バイオリンサイズ 身長
1/16サイズ 105cm以下
1/10サイズ 105~110cm
1/8サイズ 110~117cm
1/4サイズ 117~127cm
1/2サイズ 127~135cm
3/4サイズ 135~144cm
4/4サイズ 144cm以上

※1/10サイズは、元々なかったサイズのようです。
あとで作られたもののようで、日本にしかないサイズとも言われています。

私はかつて、1/10サイズを使用しましたので、大切に持っています。
30年以上前に購入したものですが、今でも現役ですよ。
のぞみ先生
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ただし、実は、身長よりも腕の長さの方が大切なので、下の写真のように、
ヴァイオリンを構えて左手をヴァイオリンの渦巻のところに持っていった時に、
左腕の肘の部分が少し曲がるくらいのサイズ感がちょうど良いです。

 

〜ヴァイオリンの素材〜
ヴァイオリンはどのような素材でできているのでしょうか?
ヴァイオリンは、木材でできています。
それぞれ材質が決まっていて、
表板はスプルース(松)、裏板・即板・ネックはメイプル(楓)、指板はエボニー(黒檀)でできています。
他にも、様々なパーツで、いろんな種類の木が使われています。
また、ヴァイオリンを弾くのに大切なのが弓ですが、こちらも、弓によって材質は様々です。
最上級のフェルナンブーコ(現在は手に入りにくい)、ブラジルウッド、スネークウッド、アイアンウッドなどで、今では、カーボンファイバーで作られた弓もあります。

 

 

〜どんな価格帯のものがあるの?〜
分数楽器の価格帯は、1万円ほど〜数百万円。
もしかすると、私は出会った事はありませんが、数千万円の分数楽器もあるかもしれません。
私がおすすめするのは、価格帯5万〜6万円ほどの分数ヴァイオリンです。
1万円でネットで初心者用セットバイオリンが売ってありますが、これは絶対にやめてくださいね!
以前、生徒さんが持ってこられたことがありますが、使えるものではありませんでした。

それを買われるのでしたら、最低でも、STENTOR(ステンター)というメーカーの分数楽器を購入されることをおすすめします。これは、後ほどご紹介しますね。

 

〜価格の違いはどこから生まれるの?〜
安いバイオリンと高いバイオリン、価格の違いはどこから生まれるのでしょうか?

・材質の価値
・技術

大きく分けると、この2点です。
材質には、木材の良し悪しが必ずあります。
良い楽器は、基本的に手作りであるのに対して、安価なものは工場生産であったり、パーツにプラスチックが使われていたりすることもあります。

高価な楽器の多くは、職人が分厚い木材を彫り出して手作りで作りますから、膨大な時間とお金がかかります。
だからこそ、厚みのある良い音が出ます。
それに対して、安価なもののほとんどが、プレス加工と言って、薄い板に熱を加えることによって、曲げて成形しています。
それにより、工場での大量生産が可能になりました。
しかし、無理やり曲げていますので、木材の特性上、どうしても、時間が経つと戻ろうとする力が働きます。そのため、歪みが出てきたり、割れてしまったり、ということがあります。

モノというのは、なんでもそうですが、手間ひまがかかっているものほど高価なのですね。

先述したように、私は、幼い頃使っていた分数楽器を、今でも使っています。
30年経ってもメンテナンスをすればまだまだ使えるのが、ヴァイオリンのメリット。
しかし、それは、ある程度高価なものでなければなりません。

私が幼い頃の分数楽器は、選べるものがまだそんなになく、かつ、非常にスペックの高いものだったようです。
だからこそ、お値段もそれなりにしたようです。
なので、妹も使いましたし、30年以上経過した今でも、私の息子が使っています。
涙の跡がくっきり残ったヴァイオリンを息子が使っているのを見ると、なんだか不思議な気持ちになりますし、
親には本当に感謝しかありません。

 

〜どこで買えばいい?〜
どこで楽器を買うか、は、実はとても大切です。
今では、ネットショッピングでいつでもどこでも買える時代になりました。
しかし、ヴァイオリンは、分数楽器であっても、個体差がものすごくあります。
実は、メーカーさんによっても、サイズ感が違ったりもします。
子供さんであっても、合う合わないがありますから、楽器屋さんで実際に見て、手に取って、購入されることをおすすめします。
先程もお伝えしたように、楽器には、個体差があります。
出荷されたそのまんまの状態のヴァイオリンですと、音が鳴らないこともしばしば。

調整師さんがいる楽器店だと、調整された楽器が売られていますので、安心して購入できますし、万が一、購入後に何かがあっても、調整師さんのいる購入元に問い合わせれば、対応が可能です。

個人的には、調整師さん自らが経営されている個人店がおすすめです。
個人店ですと、直接調整師さんとやり取りできたり、何かがあったときに駆けつけやすいですし、いつも、その方に見てもらえますから、何かと相談しやすいんです。
それに、実は、個人店で楽器を購入された方が安いことが多いです。
定価よりもおおよそ2割引で購入できたりもします。
これは、仲介料(マージン)の問題なんですね。
多くを雇わなければいけない大手は、必然とマージンが高くなるため、楽器も高くなりますが、
個人店ですと本人のみで経営されてる場合も多いですから、お安く売れるわけです。
これは、お教室の場合なんかもそうですね。

 

〜分数楽器にどれほどのスペックを求めるか?〜
特に、子供が使う分数楽器の場合は、その時点で、どれほどのスペックを求めるか、が大切になってきます。
例えば、子供は4歳。全くの初心者。
こんな場合、はじめはまだ音が出せません。
ヴァイオリンは、構えられるようになるまでが大変です。
それに、成長期でもありますから、生徒さんによっては、音を鳴らす前にサイズアウト、なんてこともあります。
そのため、小さなお子さんかつ、はじめてのヴァイオリン、という場合、「最低ラインの楽器」を購入するという手もあります。
続くかどうかもわかりませんから、それで様子を見つつ、買い替えの時期にグレードアップする、というのもいいですね。
それなりにヴァイオリンを続けられて、コンクールなんかが受けられるようなレベルになると、それなりに親も本人も欲が出てきますから、きっと、こんなのが欲しい、と思えるようになっているはずです。
大人の持つフルサイズのヴァイオリンがやはり一番高価な買い物になりますから、分数楽器では、できればあまりお金をかけず、貯めておけると良いかもしれませんね。

 

〜購入するなら、おすすめ分数ヴァイオリン〜
では、これらも踏まえた上で、150人以上の生徒さんとその楽器を見てきた私がおすすめする、分数ヴァイオリン、購入するならこの楽器、というものをご紹介します。

今や、分数楽器のほとんどが中国製。
とはいえ、工場生産でも、技術は高くなっていますし、安心して購入いただけるかと思います。

弓とケースのセットでの購入が可能です。

・日本のスタンダード鈴木バイオリン(SUZUKI)
私が幼少期に使用していた分数楽器も、全てスズキです。
今でも、こちらの分数楽器は有名で、様々なスペックのものがあります。
スズキも工場生産のほとんどが中国製ですが、6万円ほどの最低スペックのものでも、初めての楽器にはとても良いと思います。

イーストマン(Eastman)
こちらも北京に工場を持つ中国製ですが、全て手作業で作られている分数楽器。
6万円ほどのvl80というのが、一番安価ですが、こちらも安定したもので良さそうです。

・アースミュージック(ARS MUSIC)
チェコ製で、価格帯は最低でも10万円ほどかかりますが、やはり、音はとても良いです。
生徒さんでも、こちらを親子共に気に入って使われていた方は多いです。

私はあまり馴染みがありませんが、
・カルロジョルダーノ
・ニコロサンティ
も最近良いそうです。

楽器屋さんで比較してご覧になったり、専門家からそれらの楽器の特徴やおすすめなどを聞きながら、購入を決めるのが良いですね。

それでも高いわ。
分数楽器だし、はじめの1挺目の楽器だから、使い捨てでもいいからおすすめはない?
使い捨て感覚でも良いということであれば、こちらがおすすめですよ。
のぞみ先生
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・ステンター(Stentor)
正直、音はよくありませんから、ヴァイオリンを構えられるようになるまでの繋ぎ、としての購入をおすすめします。
>>バイオリンパレットさんでステンターを購入する

安価な楽器であっても、調整は必須ですので、他で買われる際も、調整されているかどうかを確認して購入してくださいね。
バイオリンパレットさんでは、スズキの分数楽器も購入できるようです。
調整後に送ってくださるので、店舗に行く時間がない方には、良さそうですね!

以前、グループレッスンで教えていた初心者の可愛い男の子。ヤンチャで、楽器を持ったまま走ってしまい、転んでガシャーン!壊れてしまいました。彼が持っていたのはステンター。修理費の方がかさむため、買い直しをされたことがありました。
のぞみ先生
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〜おすすめ楽器店〜

クロサワバイオリン
こちらは、東京・名古屋・大阪に店舗があり、調整や修理にも対応しています。

〜おすすめヴァイオリン工房〜
プロのヴァイオリニストは、自分の楽器のかかりつけ医を持っています。
信頼する調整師さんが東京にいて、関西から通っているプロの方もおられたりします。
どんなレベルの楽器を持っていても、自分の楽器のかかりつけ医は、あった方が良いです。
調整師さんによって、音が変わります。
それに、音を出すのがしんどかった楽器でも、調整してもらうと、見違えるように弾きやすくなることも多々あリます。
お医者さんもそうですが、ご自身に、合う合わないが必ずありますから、
あまり深く考えず、合わないなと感じたら、いろんなところに行かれたら良いと思いますよ。

調布ヴァイオリン(調布市)
近くで工房がないかなと探して行き着いたのがこちらです。
とっても親切なので、生徒さんにもおすすめしています。

大樹バイオリン工房(多摩市)
生徒さんが行かれています。私もいつかお伺いしたい工房です。

弦楽器工房 La Stellina(国立市)
インスタグラムでフォローさせていただいている大好きな先生が行かれている工房です。
こちらもいつかお伺いしたい工房です。

 

私はもともと大阪の人間で、私がお世話になっている、おすすめの関西のバイオリン工房もご紹介します。
のぞみ先生
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絃楽器MASARU(西宮市)
MASARUさんは、音の鳴りをとにかく良くしてくれます。
人間味あふれる素晴らしい調整師さんです。

鈴木弦楽器(大阪市)
鈴木社長とご縁があり、昔からお世話になっています。
関西の生徒さんには必ずこちらの工房をおすすめしています。
10階に降りると、そのフロア全部が工房になっており、ヨーロッパにタイムスリップしたかのようです。
お部屋の中は、完全に別世界。近い方は、ぜひ一度足を運んでみてください。
このマンションは、青山ハープさんも入っていて、
一階は、美味しいイタリアン料理パスタフルカフェマリアンさんがあります。
イタリアで修行をされたシェフマリアンさんのボンゴレは最高です!!
マリアンさんではよく演奏会が開催されています。
私も、関西にいたときは、しょっちゅう演奏させていただいていました。
とっても雰囲気の良いところのなのでおすすめです。
ヴァイオリンの調整や弓の毛替えの待ち時間に、マリアンさんでランチ〜もいいですね!

絵譜工房(大阪市)
気になっている工房です。
すごく評判がよく、日本中、世界中から来られるそうですよ!

 

 

〜購入する以外にレンタルという方法もあります〜
小さいヴァイオリンは本当に可愛いものです。
かつ、可愛いお子さんが使用していた楽器ですから、それを残すことで思い出にもなりますし、部屋に飾ればインテリアにもなります。
また、ご兄弟姉妹がおられて、下のお子さんにもヴァイオリンをさせたい場合は、購入の方がコスパが良い場合が多いのですが、手軽に始めたい、とりあえず、1挺目のヴァイオリンは買わずに試したい!方におすすめなのが、レンタルです。
ネットで完結するお店と、実際に伺って楽器を見てレンタルできるお店とがあります。

・ネットで完結のレンタルバイオリンのおすすめ
>>ヤマハのバイオリンレンタルを探す
>>フリックでバイオリンレンタルを探す

 

私の住む調布市でも、実際に楽器を見てレンタルできるお店があります。
京王線調布駅から徒歩7分ほどの、調布ヴァイオリンさんです。
生徒さんたちにもおすすめしています。
こじんまりとした店内で、ガラス張り。道からも店内の様子が伺えますので、安心して入れますよ。
入るとヨーロッパのヴァイオリン工房に来たかと思わせるような素敵な場所です。
初心者の方にもとっても親切で、優しく教えてくださいますし、調整師さんなので、ヴァイオリンのことは何でも質問できます。何かあると駆け込めますから、とっても心強いですね!
購入する場合も、ご相談が可能です。

>>調布ヴァイオリンのバイオリンレンタル

調べてみたら、大樹バイオリン工房さんもレンタルされているようです。
>>大樹バイオリン工房のバイオリンレンタル

 

最近では、郵送で調整してもらえたり、弓の毛替えをしてもらえる工房も増えてきたようですね。
のぞみ先生
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まだまだ、情報は更新中ですが、
この記事がどなたかのご参考になれば嬉しいです。